日銀の「適時利上げ」発言後も、なぜ円はほとんど動かなかったのか
日銀の氷見野良三副総裁は、適切なタイミングでの利上げが必要だと訴えた。それでも円は通貨全体で見るとほぼ動かなかった。8月26日の日次参照値と21:40 JSTのスナップショットを比べると、円クロス5組のうち3組が上昇し、2組が下落した。中央値は円安方向へ0.08%だった。
市場は講演前に9月利上げの確率を86%まで織り込んでいた。氷見野氏は追加の引き締めが必要になりうる理由を説明したが、月もその後のペースも示さなかった。市場にとって新しい材料は乏しかった。ロイターは講演直後のUSD/JPYを159.29付近とし、円はほぼ変わらずと報じた。
氷見野氏は利上げの必要性を語ったが、時期は示さなかった
日銀の予定表では、氷見野氏の講演開始は10:30 JSTだった。公表された講演原稿によると、6月の利上げで政策金利は1%となり、31年ぶりの高水準に達した。一方、実質金利はマイナスで、金融環境は緩和的なままだった。氷見野氏は、適切なタイミングで利上げすれば、インフレ加速とその後の急な利上げを防ぎやすくなると述べた。
円安が輸入物価と消費者物価を押し上げるとも指摘した。日銀は為替相場そのものを目標にしていないが、円相場は政策判断の材料になる。
5通貨の結果は3対2だった
8月26日の日次参照値と2026-08-27 12:40:52 UTC、つまり21:40:52 JSTのライブスナップショットを比較した。予定された講演開始から11時間10分後である。レートは外貨1単位あたりの円なので、プラスは円安を示す。
3組で円安、2組で円高となった。平均は+0.081%、中央値は+0.079%だった。すべての変化が0.26%未満に収まった。タイムスタンプと計算式を含むデータをダウンロードできる。
タカ派的な発言でも円がほとんど動かなかった理由
ロイターの報道によると、氷見野氏の講演前に市場が見込む9月利上げの確率は86%だった。その見方がすでに相場へ反映されていたため、大きな見直しにはもっと明確な時期やペースが必要だった。講演ではどちらも示されなかった。5通貨の結果が割れたことからも、USD/JPYだけでは全体像を捉えにくい。ユーロとポンドのクロスは反対方向に動いた。