ベネズエラは2026年に米ドルへ切り替えるのか
いいえ。ある国会議員が経済学者スティーブ・ハンケと完全ドル化案を作っている段階だ。ベネズエラは切り替えを承認しておらず、交換レートもボリバル廃止の日程も決まっていない。
見出しが政策より先走った。国民議会議員アントニオ・エカリは、ベネズエラでボリバルを米ドルに置き換えたいと考えている。しかし作業を進めているのは彼自身の議員チームだ。成立した法律も、公式の交換レートも、開始日もない。
実際に提案されたこと
Fortuneの報道によると、エカリとハンケはボリバルを廃止してドルを採用し、政府が通貨発行で支出を賄う力をなくそうとしている。エカリのチームはその後、これは議員としての個人的な取り組みだと説明した。国民議会議長ホルヘ・ロドリゲスも、議会がハンケを雇ったとの見方を否定した。ハンケが示す成立確率50%から80%は本人の予測で、票読みではない。
ベネズエラ経済はすでに部分的にドル化している。ボリバルの購買力が急速に落ちるため、商店、貯蓄者、民間雇用主はしばしばドルを使う。完全ドル化なら、移行法に基づき賃金、預金、契約、税、政府会計までドルへ移る。
なぜ再び議論されているのか
公式レートは2026年初めごろの1ドル=301.37ボリバルから、8月24日には784.6633へ動いた。ボリバルのドル換算価値は61.6%下落したことになる。中央銀行は1月から4月の累積インフレ率を90%と報告したと、EFEは伝えている。支持者の論理は単純だ。ボリバルの発行を止めれば、通貨下落の直接要因が一つ消える。
実際の通貨切り替えに必要なこと
- 現金、預金、賃金、年金、債務、契約を換算するレートを決める。
- 口座と価格をドルへ切り替える日を決める。
- 銀行に十分なドル紙幣と流動性準備を供給する。
- 中央銀行が担う銀行向け緊急流動性の代替制度を作る。
- 自国通貨を発行せずに政府赤字を賄う。
ハンケはボリバルと中央銀行の両方を廃止する案を示している。ただし両者は別の判断だ。エクアドルは2000年にドルを採用したが、機能を縮小した中央銀行は残した。ベネズエラには法的な壁もある。憲法318条はボリバルを国の通貨単位とし、中央銀行に通貨権限を与えているため、全面切り替えには憲法改正が必要になる可能性がある。